ゲーム・チェンジの今こそ副業解禁の時(2)
3月下旬に公開した記事「ゲーム・チェンジの今こそ副業解禁の時」で反響が寄せられましたので、副業のメリットについて掘り下げてみたいと思います。
「稼ぐ」という事の本質を体験すること
企業に勤めると、自分の稼ぎや貢献度がどれくらいあるのかが見えにくくなります。
自分の稼ぎとは「時給」や「日当」というよりも、もっと本質的に「商売」という観点です。
商売は、
・モノやサービスを作ること(またはモノやサービスが「ある」こと)
・モノやサービスを売ること
の2つがあって成り立ちます。モノやサービスがあるだけでは売上は立ちませんし、売る人がいなければモノもサービスも知られません。
この2つをそれぞれ担う人が揃って、はじめて商売となるのです。
当たり前の事ですがこれは非常に大事な点です。
なぜそんなに大事なのか。
恐らく事業主の方は、「従業員が経営を理解してくれない」と感じた事が1度や2度はあるのではないかと思います。
あるいは、「社長が何を考えているのか分からない」「営業の考えが分からない」「現場と意見が合わない」と感じながら働いている方も少なくないのではと思います。
これらは「商売は、上の2つで成り立っている」という事が見えにくくなっているのが原因で、視野が狭くなっているからなのです。
そこで、今の業務を離れて「稼ぐ」を体験してみるのが良いとということで、それが「副業を許可する」という事なのです。
「モノ作り」「仕入れ」そして「営業」をする
ある個人が、自分が得意とする事を具現化して自分で売りたいと考えているとします。
小物を作り、それを販売してみるようなケースを想定してみましょう。
シルバーアクセサリーを作り売る、のような事を想像してみましょう。
「稼ぐ」という事を前提としますので、シルバーアクセサリーを売るためには競合が沢山います。
競合が多いということは、それだけマーケットも大きいと考えられますね。
同時に、同じテーブルで勝負する(稼ぐ)には相当の覚悟が必要になることも体験できます。
アクセサリーを作るには、その材料を仕入れなければなりません。
材料を加工するには道具が必要になります。
材料を仕入れ、加工し、無事にアクセサリーが1個完成したとします。
そのアクセサリーを作るのに週末の2日間を要したとしたら、アクセサリーの販売で頂きたい金額はいくらになるのか、値付けの体験が発生します。
ただしこの場面では値付けはできません。
このアクセサリーをどうやって売るのかが考慮されていないからです。
今この段階ではそのアクセサリーの存在は知られていないため、営業(オススメ活動)をして「欲しい」と言ってくれる人に情報を届けなければなりません。
小売店に卸すのか、
レンタルスペースで販売するのか、
ネット等で通販をするのか、
あるいは知り合いに売るのか。
販売するという方法だけでも様々ありますが「作っただけでは売れない」という体験が出来ます。
同時に、どうやってコンスタントに売り続けるか(売れる物を作り続けられるか)という体験もすることが出来ます。
こうしてやっと、「売るためにかかる費用」も考慮して値付けをします。
社外で出来る経験に頼っていいんです
こういった経験は、勤務中の会社のビジネスモデルを作り上げた創業者以外はなかなかすることができません。
(それが、組織が分かれた「会社」なのですが)
裏を返せば、こういった体験をしておくことで、今のビジネスモデルを別の視点からブラッシュアップできたり、あるいは新しい事業モデルを「商売の経験を基に」創出できる可能性が高まるのです。
自分で作り上げる以外にも、その「副業でどんな経験を得たいか」を意識するかしないかで大きな差が生まれます。
このように「副業を解禁する」ことは「稼ぐ」ことの本質を体験できるため、会社勤務で見えにくくなっている「商売の本質」を外で経験できる機会を与えることになるんです。
俯瞰するには、飛び立って角度を変えて見てみること
外に出たら郷里の良さが分かった——と言うじゃないですか。
もちろん良いところも、悪いところも、俯瞰すれば見えてくるんです。
良いところは伸ばし、悪いところは改善する。これも全て「見えるようになる」からなんですね。
もう一度言います。
「従業員個々の意識レベルが上がれば、会社をより強い組織に変えていくことが可能になります」
今この危機的状況の中で会社を強く出来るアイディアを持っている人、それはひょっとしたら商売の経験をしている人なのかもしれません。そういう人材を作るのも、会社なんです。