ゲーム・チェンジの今こそ副業解禁の時
新型コロナウィルスの拡大により、日本はもとより世界各地で経済に大きな影響が出ています。この記事を読んでいる皆さんの中にも、事業規模の縮小を余儀なくされている方が少なくないと思われます。
事業はスポーツと同じで、攻めばかりではダメで守りも同時に準備しておく必要があります。
ここで言う「守り」とはリスクヘッジになります。
(risk hedge 危険回避・防止策)
更に上の次元のリスクヘッジ
損害保険営業だった頃、企業に提案する自動車保険でリスクヘッジを提案し大変喜ばれたことがあります。
社用車や営業車に自動車保険をかけるのは当たり前ですよね。
この会社は「会社のクルマは、自分の車のように丁寧に扱わない」という従業員の意識の低下が問題になっており、そのため事故率(保険を使わなければならない事故)が非常に高い状態でした。
事故率が高いと保険料が上がります。
さらに、事故率があまりにも高いと、保険会社は保険を引き受けない事があります。(=契約を結ばない、という意味)
つまり、事故が多いということは、その会社にとって何も良いことは無いという事ですね。
事故は単独であったとしても他者や公共のものを損壊していることがあるため、事故の多い会社は印象が悪くなります。
従業員の意識が低いということはこういった二次ダメージにも繋がっていくのです。
そこで、車両保険と対物賠償の免責金額を初回から引き上げて、事故時の修理に掛かる費用負担を運転者に課すという内容を提案しました。
車両保険や対物賠償の免責金額とは、通常は初回0円、保険期間中の2回目は10万円とかに設定されています。
車両や車両が引き起こした他者のものの損壊を修理しなければならない場合、「保険期間中初めての事故の場合手出しは0円」というのが免責金額0円です。
この会社の従業員は、「免責金額0円」に甘えている可能性が高いと考えました。そしてこの会社の社長に、車両事故を起こした場合一定の金額を自己負担にする、と社員に伝えてもらうようにしました。
この施策でこの会社はどう変わったと思いますか。
・従業員の意識が変わり、事故が減った
・事故が減ったことで、保険料が安くなった
・運転マナーの向上を目的とした社内研修を定期的に行い、従業員のマイカーでの事故も減った
保険そのものが、事故(や病気)による一時的(もしくは恒久的)な経済損失を補填するというリスクヘッジです。
「事故が起こったらどうするか」に、「事故そのものを減らす」という考え方をプラスする事で更に上の次元のリスクヘッジが可能になります。
病気に対するリスクヘッジも同様ですね。
罹患する可能性を減らすための行動そのものが、上の次元のリスクヘッジになるのです。
ゲーム・チェンジをどう捉えるか
さて、新型コロナウィルスによる事業への影響についてです。
この状況は世界中で「ゲーム・チェンジ」だと言われています。つまり、働き方やビジネスモデルを見直す、見直さなければ生き残れない段階に来たと考えられているのです。
ある老舗のレストランは、新型コロナウィルスの影響で来店が見込めない状況では先が見えないと捉え、フードデリバリーを行う事でこの危機を脱したと言います。リモートワーク(在宅勤務)も1つの方法です。
私は今こそ「従業員の副業を解禁すべき」だと考えています。
Game Change ビジネスの従来の枠組み・ ルールが崩壊し、新たなものに切り替わること
副業——本業の時間以外でどうやって収入を増やすか——
今の状況で言えばもっと深刻で、どうやって生活を支えるために収入を得るかという考え方です。
収入以外にも、本業で得られない経験を副業で得られるかもしれません。
その経験を活かせる環境を本業側で用意してあげることで、間接的に従業員の生活を守り、かつ本業の生産性を向上させることに繋がることも期待出来ます。
(そこから更に、「副業」をもう1つの事業プロジェクトに昇華させ、社内チームで事業を立ち上げるという上の次元の展開も見込めますよ)
従業員個々の意識レベルが上がれば、会社をより強い組織に変えていくことが可能になります。